7回1死二塁、左中間に勝ち越しの適時二塁打を放つ角中(カメラ・馬場 秀則)

◆パ・リーグ ソフトバンク4―5ロッテ(15日・福岡ペイペイドーム)

 しぶとく、したたかに1点をつかみにいった。同点の7回1死二塁。甲斐野の150キロ台後半の速球に目を見張った角中は狙いを切り替えた。「すごい速い投手なのでスライダーとフォークボール狙いでいきました」。読みは当たった。カウント1―2からの4球目。真ん中に入ってきたフォークボールを左中間へ。決勝の適時二塁打になった。「打ち取られた当たりでしたが、いいところに飛んでくれました」と笑みを浮かべた。

 日替わりでヒーローが生まれるのがロッテの強みだ。4番のマーティンが発熱のため14日に登録を抹消されると、4番に上がったレアードに代わり5番に座った。3回の第2打席では右前適時打。「終盤のしんどいところで仕事ができて良かった」とうなずいた。井口監督も「こういうところでやってもらわないと困る」と、さも当然といった口調でたたえた。

 1分けをはさんで6連勝。16日に勝つか引き分けて、オリックスが敗れると優勝へのマジック26が点灯する。2005年のリーグ優勝はシーズン2位からプレーオフを勝ち抜いてつかんだもの。1974年は前、後期制だったために通期でのマジック点灯も、シーズン1位も70年以来51年ぶりとなる。15年目の角中ですら「(マジックを)経験したことがないので分からないです」と言うほど。しびれる場面が増えるはずだが、「そういう試合ができるのは野球選手としてありがたい」と角中。V争いができる喜びをかみしめながら、歓喜へのカウントダウンを始める。(スポーツ報知 秋本 正己)