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ロッテ・西野勇士、リーグトップ6勝!10年ぶり交流勝ち「自信を持って投げられた」
(日本生命セ・パ交流戦、ロッテ2-1巨人、1回戦、巨人1勝、30日、ゾゾマリン)力強くほえた。2-1の七回2死一塁。ロッテ・西野勇士投手(32)は吉川を遊ゴロに仕留めると、女房役の田村を指さして胸を張った。7回5安打1失点。パ・リーグ単独トップの6勝目を挙げた。
「マリンの風が強い中の真っすぐとか、スライダーとかの対応は(打者が)そう簡単にできるものではない。自信を持って投げられた」
試合開始時は風速9メートル。東京ドームを本拠地とする巨人を相手に海風を利用した。軸は「すごく曲がった」というスライダー。全投球のうち直球(32・6%)よりも多い36・8%の割合で投じ、凡打の山を築いた。
交流戦での白星は、先発した2013年6月3日のヤクルト戦以来、10年ぶりだ。10年の間に守護神や右肘手術を経験した32歳は「点は取られましたけど踏ん張ることができるのは中継ぎを経験したから。10年間の全てを使って投げられている」と進化を実感した。
富山・新湊高から入団15年目。県内の射水市は巨人の初代オーナー、正力松太郎氏(故人)の出身地で「田舎の人はジャイアンツ戦を見るんです」。自身も少年時代はテレビ中継でG戦士にくぎ付けとなった。「小さい頃から見ていたすごいチーム。今日はすごく勝ちたいと思っていた」。丁寧な制球で勝利を手にした。
チームは貯金を今季最多の11に伸ばした。「1戦目を取れたので、ここから勢いに乗っていく」と西野。ロッテは交流戦で12球団2位の通算203勝(1位はソフトバンクで229勝)。セ・リーグを相手に、さらなる上昇気流に乗る。(サンケイスポーツ 武田千怜)
【ロッテ】佐々木朗希「出来ることを精いっぱい」聖地甲子園で新たな交流戦怪物伝説の誕生なるか
ロッテ佐々木朗希投手(21)の新たな交流戦怪物伝説は誕生なるか-。無傷の4連勝で交流戦に突入する。吉井監督は、順調ならば6月4日の阪神戦(甲子園)で起用する意向を示した。プロ初勝利を挙げた21年5月27日の阪神戦(同)以来、交流戦の勝利がない165キロ右腕だが、聖地のマウンドから、チーム17年ぶり3度目の交流戦制覇に導く。
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佐々木朗が今度はセ・リーグの強打者たちを驚かせる。WBCでは世界を、パ相手には開幕から無傷の4連勝。4月28日のオリックス戦では日本人最速165キロを5回以降に4球も投じる異次元の衝撃も与えた。順調ならば、甲子園での阪神戦に中6日で先発することが濃厚。2位に6ゲーム差をつけて首位を走る阪神について問われると、「みんな良いバッターですし、相手ピッチャーも良いので、ロースコアのゲームになると思う」と背筋を伸ばした。
甲子園は、交流戦初登板だった21年5月27日の同戦で、5回4失点の末にプロ初勝利を挙げた記念の場所だ。だが、以降の交流戦はパ相手に比べると“鬼門”でもある。昨年6月3日の巨人戦での5回5失点KOを含め、過去4戦で0勝1敗。1試合の奪三振数も7個が最多で2ケタは1度もない。「いつも対戦しないバッターだったりが多いので、自分のペースを崩さないように、出来ることを精いっぱいやるだけ」。25日からは打撃練習や走塁練習も実施し準備を進めている。
吉井監督は「(マメのできた指の確認は)していないです。火曜日(今日30日)にどんな姿で来るかで…」としたうえで、理想は中6日かと問われ「もちろん、そうです」と即答した。
開幕となる巨人戦は「西野、メルセデス、カスティーヨ。原さんは内緒って言っていたけど」とメジャーでも中継ぎが主だったカスティーヨの初先発を明かした。阪神戦は小島、種市と続き、佐々木朗が大トリを務めそうだ。【日刊スポーツ 鎌田直秀】
【ロッテ】佐々木朗希、中22日で復活4勝「ここから最後まで」中心でチームの首位守り抜く決意
ロッテ佐々木朗希投手(21)が、中22日の復活マウンドで無傷の4勝目を飾った。
5月5日のソフトバンク戦で右手中指にマメが出来た影響により登板間隔を空けていたが、6回82球を投げ、3安打2失点。自己最速165キロには及ばずも、164キロを3度マークするなど、強力打線から4者連続を含む9三振を奪った。今季の奪三振は59個でリーグトップに浮上。ロッテが首位で交流戦に入るのは10年ぶり4度目で、若きエースが存在感を示した。
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佐々木朗が右手中指に全力を込めた。82球を投げてリードを守り、黄色いグラブをポンっとたたいた。6回、ソフトバンク近藤、柳田を連続空振り三振。思わず出るしぐさが、マウンドでの復活の証しだった。
先頭の中村晃に右前打を許し、1死後に主軸を迎えた。「今日一番大事な場面だと思った」。3番近藤は160キロの直球。前日の延長12回にサヨナラ打を打たれた柳田はフォークで斬った。「どうにかゼロで抑えられて良かったと思います」。マメの影響で投げられなかった悔しさも込めた。
昨年も右手中指のマメで1カ月弱投げられなかった時期があった。今回は経験を生かした。「どのタイミングでキャッチボールをするのかとか、そういうところですね」。当初はローテを1回飛ばしての復帰を目指したが、指先に負荷をかけると違和感は消えなかった。完治を最優先に切り替え、最終的には中22日。普段は軽めに終始する前日も約20メートルの距離でキャッチボールを入念に行って指先に刺激を加えた。「適切な選択の結果、今日になりましたけれど、無事に投げ終えられて良かった」。納得の表情で、交流戦前最終戦でリーグ単独首位を確定させた。
テーマは球数を少なく-。吉井監督からは目安を約80球前後と伝えられていた。ダルビッシュの助言で磨いたスライダーは必要最低限の2球のみ。制球しやすい直球とフォークを軸に3回まで完全投球。バックネット裏で視線を送った野茂英雄氏も、春季キャンプ地石垣島視察時からの成長を再確認し、関係者らと直球の伸びなどを評価している様子だった。
次は順調にいけば中6日で甲子園での阪神戦が予想される。「雨で流れないように祈っています。僕は投げているので…。種市さんがすごいワクワクしていました」。八戸工大一(青森)時代を含めて甲子園初登板予定の先輩をいじって、自身も周囲も笑顔にした。好調なチームに関われなかった分、「ここから最後まで(ローテを)回るために気をつけていきます」。投手陣の中心として首位を守っていく決意表明の投球だった。【鎌田直秀】
▽ロッテ吉井監督(佐々木朗の好投に)「しっかり調整してきてくれました。5回で終わりかなあと思ったけれど、けっこう6回は流れが変わるので、本人が『いきますっ』って言ってくれて良かったです」
▼ロッテが単独首位で交流戦を迎える。ロッテの交流戦前リーグ首位は25日に確定していたが、この日で単独首位が決まった。ロッテの交流戦前首位は05、12、13年に次ぎ4度目。2桁貯金で交流戦に入るのは、05年(24勝8敗=貯金16)以来18年ぶり。05年は交流戦初代王者になったが、今季はどうか。17日オリックス戦からは14年6月以来チーム9年ぶりの7試合連続5得点以上をマークし、投打がかみ合っている。
▼ロッテ佐々木朗が9奪三振で今季通算59奪三振。同僚の種市(58個)を抜いてリーグトップに立った。デーゲームはプロ通算10試合で5勝0敗と無敗のまま。チームが昨年9月24日から続けていたペイペイドームでの連敗を7で止めた。(日刊スポーツ)
ロッテ、連勝「6」で止まった 吉井監督「前半、四球をたくさんもらったところでもうちょっと得点できればよかった」
(パ・リーグ、ソフトバンク6x-5ロッテ=延長十二回、9回戦、ソフトバンク5勝3敗1分、27日、ペイペイD)連勝の勢いがあっても、〝福岡の呪縛〟を解くことはできなかった。延長十二回までもつれたソフトバンクとの熱戦。ロッテは8投手をつぎ込み粘り強く戦ったが、最後に力尽きた。5-5の延長十二回1死一、三塁から柳田に右前打を浴びサヨナラ負け。ペイペイドームでの同戦は、昨季から7連敗となった。
連勝は「6」でストップ。吉井理人監督(58)は「前半、四球をたくさんもらったところでもうちょっと得点できればよかったですけど、それは次の課題。全体的には、リリーバーも攻撃陣もよく頑張ったと思います」と前を向いた。
最大2・5あった2位とのゲーム差は0・5に縮んだ。交流戦前最後の試合となる28日の先発は右手中指のまめからの復帰登板となる佐々木朗。白星で飾り、単独首位で30日からの巨人戦に乗り込む。(サンケイスポーツ 武田千怜)