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    カテゴリ:スポーツ > 野球

     最優秀新人選手賞と最優秀選手賞のW受賞に笑顔をみせる村上(撮影・三好信也)

     「NPB AWARDS 2023 supported by リポビタンD」(28日、都内)

    【写真】村上も智弁学園の先輩、巨人・岡本の隣でビシッと直立不動

     阪神の村上頌樹投手(25)がセ・リーグの最優秀選手(MVP)を初受賞した。最優秀新人(新人王)とのダブル受賞は1980年の木田勇(日本ハム)、1990年の野茂英雄(近鉄)に続いて史上3人目。セ・リーグでは初の快挙となった。

     村上はプロ3年目の今季、22試合に登板して(先発21試合)10勝6敗、防御率1・75で最優秀防御率のタイトルを獲得した。今季初先発となった4月12日の巨人戦(東京ド)では一人の走者も許さない“7回完全”の快投を演じ、先発ローテーションの一角に定着。18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。

     オリックスとの日本シリーズでは“開幕投手”を託され、第1戦では7回2安打無失点で相手先発の山本に投げ勝った。第6戦では5回4失点で降板したが、2試合を投げて38年ぶりの日本一に奮闘した。

     新人王では同僚・森下と争う形となったが、275票の大差を付けての受賞。「あいつからは『3年目やからええやろ、1年目に譲れ』と言われたんですけど(笑)自分が勝ち取ったので良かった」と笑わせた。

     MVP争いでは盗塁王の近本、最高出塁率の大山、最多セーブの岩崎、最多安打の中野ら同僚にライバルが多く、最多勝と最高勝率の投手2冠に輝いた東(DeNA)もいたが、栄冠は“虎の村神様”に輝いた。昨季まで未勝利だった右腕が、最高の形で飛躍の1年を締めくくった。

     村上は「まさか自分が取ると思ってなかったので、とても光栄な賞なので嬉しい」と笑み。新人王との同時受賞に、「プロ野球では野茂さん以来でセ・リーグ初なので、そこに名を刻めたのは良かったです」とうなずいた。(デイリースポーツ)


    ファンの声援にこたえる阪神選手(カメラ・岩田 大補)

     18年ぶりにセ・リーグを制した阪神とパ・リーグ3連覇を果たしたオリックスの優勝記念パレードが23日に大阪府、兵庫県で行われ、延べ100万人が歓喜に酔った。史上初となる“2か所同時パレード”では、阪神が午前の神戸市で30万人、午後の大阪市で35万人の計65万人にV報告。岡田彰布監督(65)は沿道からの「ありがとう」に感激を口にした。オリックスは1996年以来、27年ぶりとなる神戸市でのパレード。大阪20万人、神戸15万人の計35万人が集まった。

     阪神が大阪で午後2時に開始したパレードでは、見る場所を探そうと、御堂筋から1本東にある通りは虎党が大勢で南下する“御堂筋・裏パレード”と化した。

     神戸会場と違い、大阪では観客の入れ替えがなく、午前のオリックスから好位置をキープするファンも多くいたため、午後からの来場者は岡田監督らがスピーチするスタート付近で観覧できず。各交差点で「ここは出口専用です」「入っても見えません」と警備担当が呼びかけて封鎖し、ファンはため息で南に歩いて行った。また、警備スタッフ用以外にはビルから好意で借りたトイレはなく、用を足すためさまよう人もいた。

     この日は御堂筋とクロスする道修町(どしょうまち)通で、「神虎」で知られる少彦名(すくなひこ)神社の「神農祭」も重ねて行われ、一帯は大混雑となった。

     福島・いわき市から観光で大阪を訪れ、夫の提案で見に来た藤田清子さん(56)は「オリックスはいい場所で見てたんですが、人が多くて苦しくて…」と一度離れ、コンビニでトイレに約1時間並び、戻ると状況は一変。裏通りで遠巻きから眺めるのみだったが「次、いつ見られるか分からない。いい思い出になりました」と喜んでいた。

     ■吉村大阪府知事「大成功」クラファンで1万人1億円

     〇…大阪府の吉村洋文知事は大阪市で阪神のパレードを見守り、開催費用確保のため実施したクラウドファンディング(CF)について「1万人以上の方に約1億円の寄付をいただいた。結果として府費を投入することなくこの日を迎えられ、大成功だ」と胸を張った。費用約5億円は企業などからの協賛金やCFで確保した。

     ■大阪府・市職員への特典、帽子などもうメルカリ出品

     〇…大阪のパレードでは、大阪府・市の職員約2500人がボランティアで警備や案内役を務めた。ある女性職員は午前8時30分~午後4時の拘束。交通費は自己負担だが、職員専用の帽子とジャンパーが“特典”としてもらえた。両球団のリーグVロゴが刷られたレアもので、オークションやフリマへの出品の禁止通達はなかったが、ある男性職員は「社会通念上、やってはならない」と力説したが、早速「メルカリ」では複数出品され、セットで7700円で購入する人も出た。(スポーツ報知)

    10回2死満塁、サヨナラ打を放ち亀井コーチ(右)と田口(左)から手荒い祝福を受ける門脇(カメラ・中島 傑)

    ◆カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023 決勝 日本4x―3韓国=延長10回タイブレーク=(19日・東京ドーム)

     「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」の決勝は延長10回タイブレークの末に日本が逆転サヨナラ勝ちし、大会2連覇を果たした。10回に韓国に1点を勝ち越されたが、その裏に同点とすると、2死満塁から巨人・門脇誠内野手(22)が左前に劇打を放ち、大会MVPにも輝いた。10月に就任した井端弘和監督(48)は初タイトルを手にした。侍は強化試合を除く国際大会の連勝を19に伸ばし、来秋のプレミア12に弾みをつけた。

    * * * * *

     最高の結末が待っていた。打球が三遊間を抜ける。門脇が一塁で両拳を高々と上げると、仲間から手荒い祝福が待っていた。アジアの頂を決めるサヨナラ打で、賞金100万円のMVP&ベストナインもゲット。試合後には胴上げで3度舞った。お立ち台では「本来『最高です!』と言うところですけど、チームはリラックスということなので」と大会を通じてチームで行ってきた両手を波のように揺らすリラックスポーズで「さいこ~です」と、珍しくおどけてみせた。

     延長タイブレークの激闘。10回に坂倉の犠飛で同点とし、2死一、三塁で直前の万波が申告敬遠で歩いた。打席に入る前、井端監督から耳打ちされた。「いつも通り入れ」。そこまで3打数無安打。強引に引っ張る姿は、らしくなかった。1ボールから、スプリットを自身の強みである逆方向へ流し、試合を決めた。

     「ひと言いただいて初心に帰れたのが全て。今まで感じたことのない歓声で最後しっかり1本打てたのは非常に自信にもなりました」。井端監督も「最後は彼らしく打ち返してくれた。さすがの打撃」と、うなった。

     自身初の日の丸。国際大会はグラウンドでの練習時間は限られる。それでも「意外と時間はある」と捉え、練習前はベンチ裏で体をほぐしながら状態を確認。大会通算15打数6安打で打率4割。台湾戦で3安打して指揮官に初陣勝利を贈り、堂々の成績で締めた。

     守備でも本職ではない二塁で躍動した。宮崎合宿も終盤に差し掛かっていた11日。遊撃と二塁のどちらの準備も進めていたが、シートノックで二塁に入り、察知した。「試合に出たらショートよりもセカンドの方が多いんかな」と、自ら二塁での練習を増やした。大会は全4戦、二塁で出場。緊迫の10回には同級生・小園との遊ゴロ併殺を完成させ、予測と準備が生きた。

     縁が深い舞台も背中を押した。東京Dには、創価大1年時の19年全日本大学野球選手権で初めて足を踏み入れた。「このプレッシャーを感じて野球をするのはなかなかなかった」と侍の一員としての思いを吐露するが、最後は4年前の初戦と同じ「7番・二塁」で新たな扉を切り開いた。

     侍の個人グッズ売り上げもトップクラス。晩秋にプレーでもファンに喜びを与えた。今後のプレミア12などの選出にも期待が膨らむが「毎日やるべきことを積み重ねた結果、そうなれば」と門脇。侍でもつけた背番号「35」は、巨人では来季から「5」に変わる。「35」の集大成。今年開業35周年を迎えた東京Dで、日本の野球を彩った。(田中 哲)

     ◆門脇に聞く

     ―今の気持ちは?

     「初めて日の丸を背負って戦ったところで緊張が多かったんですけど、その中で自分の持ち味を出せて良かった。(MVPは)最後打てたからという思いだけですけど、そこまでチャンスで打てなかった。反省をして最後生かせたので、そこは良かった」

     ―井端監督からの称賛の言葉を聞いて。

     「素直にうれしいのと、その言葉(打席前の助言)に対して結果で恩返しできたのがうれしい」

     ―井端監督から「また日の丸を背負って立つところを心の片隅に残しながらプレーしてもらえば日本がもっと強くなる」とあったが。

     「1年目で(日の丸を)背負うことができて自分の気持ちの持ち方、試合までにここまで緊張するんだとか、いろいろなものを感じました。結果どうこうではなく、自分がその結果に至るまでどういう過程でしっかりできたか、というところはいつも通りできた。東京Dでやりやすさはあったんですけど、どこに行ってもいつも通りできるんじゃないかなと思います」(スポーツ報知)

    韓国に勝利し、タッチを交わす日本ナイン=東京ドーム

     アジアプロ野球チャンピオンシップ第2日は17日、東京ドームで1次リーグの2試合が行われ、2017年の第1回大会に続く連覇を目指す日本は韓国を2―1で下して2連勝とし、決勝進出を決めた。

     日本は先発の隅田(西武)が7回を3安打無失点と好投。三回に併殺打の間の得点で先制し、四回に万波(日本ハム)がソロ本塁打を放った。韓国は1勝1敗。

     第1試合は台湾が延長十回タイブレークの末に6―0でオーストラリアに勝ち、大会初勝利。オーストラリアは2連敗となった。

     大会は4チームによる1回戦総当たりの1次リーグを経て、19日に上位2チームによる決勝と下位2チームによる3位決定戦が実施される。

    4回、本塁打を放ち、ナインに迎えられる万波=東京ドーム
    (共同通信)

    7回、森下に先制ソロを浴びた古林睿煬(撮影・伊藤笙子) 

     「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ、台湾代表0-4日本代表」(16日、東京ドーム)

    【写真】侍VS台湾はチア応援も白熱 台湾チアのショーパン&ヘソ出しコスにネット「世界一」「かわええ」

     初戦を落とした台湾の陳金鋒(チェン・ジンフォン)監督は「強いプレッシャーを受けた。日本打線はハンパじゃなかった。左、右、両方に注意を払いました。四球を割けるように努力しました」と振り返り、潔く完敗を認めた。

     先発の古林睿煬(グーリン・ルェヤン)が六回1死まで完全投球を続けたが、打線が日本投手陣を最後まで打ち崩せなかった。「序盤、中盤まで良かった。適応する時間も必要。投手ごとの適応能力も、これからさらに伸ばしていかないと。打者も悪くなかった。今日は満足している」と淡々と振り返っていた。(デイリースポーツ)

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